防災・減災豆知識~私が熊本地震の現場に行ってみたものとは?

私が熊本地震の現場に行ってみたものとは? 市民住まい向上委員会 代表理事 矢野克己

4月26日に熊本県御船町役場へ救援物資(抗菌ウエットティッシュ)20箱を持ち込ませて頂きました。
熊本は私の故郷でもあり、耐震診断士として、市民住まいを運営している人間としても現地に行って現状を知りたい、
何かサポートしたいという思いで、知人を通じ地元・熊本県御船町役場さんとお話が成立し、現地に向かうことになりました。

前日25日、東京より福岡の知人宅へ物資を郵送し、福岡でレンタカーに積み込みをおこないました。
翌26日、朝9時、熊本にむけ福岡出発。
通常であれば2時間のところ平日だったせいか3時間半と比較的早く熊本、御船町役場へ到着できました。
現地の方のお話によると土日になると4時間前後、夜で8時間前後かかるそうです。
高速道路から眺める景色は至る所、屋根にブルーシートを掛けている家が続いているという印象です。
高速をおりて一般道を走っていると、舗装された道路に亀裂ができ、段差ができていたり、
時折、陥没しているところもありました。
また、傾いている家や1階が倒壊している家,ビル等も数多くありました。
御船町の殆どの家も建物の危険度を示す紙「応急危険度判定」、
緑色紙(当面は安全)、黄色紙(要注意、赤色紙(危険)が貼られていました。

ゴミ置き場に室内で散らかって使えなくなった大量のゴミが山積みになっていました。
ビルのタイルや瓦も道に散乱しており、地域のボランティアの方が落下注意の為に、見張りに立ち、
注意喚起されていました。

役場に到着すると役場の石碑が倒れており、数名の自衛隊の方が門前で総合受付業務を行っておられました。

私たちが到着すると3人~4人のボランティアの方がすぐに手伝いにやってきて物資を役場の倉庫に搬入しました。
私は、周辺環境の重たい雰囲気を感じました。

搬入が終わり役場より徒歩1分の所に私が卒業した御船高校があり立ち寄りました。
体育館は侵入禁止のバリケードが張られ使用禁止になっておりました。
休校で静かな学校。こんな学校を私は一度も見たことがなかったので少しとまどいを感じてしまいました。

その後。御船町役場の町長室を訪問。
お忙しくて大変な状況でしたが御船町藤木町長と20分前後、お話させていただきました。
藤木町長は私の高校時代の同級生でもあり、昔からこの町を愛する男でした。
藤木町長は1年前「防災に強いまちづくり」を公約に掲げ町長に就任。
しかし、就任1年間のうち今回の大地震も含め3回の災害に見舞われ3回の避難勧告を出したそうです。
昔から責任感の強い藤木町長は、この震災が起こった日から、一度も家には帰らず、
ご家族とも会わず、町長室に寝泊まりし陣頭指揮をとっているという事で、
貴重な時間をいただいて聞けた話なので
ぜひ多くの人に知っていただきたいと思い明記しました。

藤木町長との話をまとめましたので読んでください。

藤木町長談話
■隣の町、益城町と被害は変わらないのに益城町のほうが死者が多いのでマスコミが取り上げている。
 なんとか御船町の被害が酷いことも伝えたい。
■御船中学校の校舎も傾き、御船高校の体育館も倒壊の危険がある状態で今後の中高生の学校の再開も懸念している。
■窃盗が多発(避難勧告地域)しているためボランティアによる夜間パトロールを実施。
■国の調査団が調査した結果、軟弱地盤の為、基礎から倒壊している。
■約150人前後の職員で避難箇所が50箇所(御船中学、御船高校の体育館が使用禁止の為)。
 ボランティアの方が居なければ間に合わなかった。現在も人員が足りていないとの事。
 (4月24日ボランティア受け入れセンター開設)
■国からの指示で、道路渋滞を防ぐために救援物資の受け入れはしないよう発信指示を受けた。
(物資はすべて国が責任を持つとのこと)
■震災直後は無線や地域ホットライン体制もなかったので急遽、御船町FMラジオ局を開設した。
■今、一番必要としているのが御船町への直接の義援金、とボランティアの方々。
■ご高齢の方の精神疲労による自殺者も出ている。


忙しい中時間を作ってくれた御船町長である藤木君が最後に笑いながら

「わざわざ東京から物資を運んでいただき心からお礼申し上げます。
復興は長期化するが、これは俺の使命だな!頑張るよ!」と言った言葉が印象的でした。
私も市民住まい向上委員会の代表理事として、防犯診断士として、
そして熊本・御船町で育った一人の人間としてこの現状を一人でも多くの人に知ってもらい、
日本中全ての人が安全安心に暮らせるように少しでも力になれるように頑張らなくてはいけないと
再度決意をする視察でした。



今回伺った熊本県上益城郡御船町ですが、7/29(金)まで義援金を受け付けています。
私共も現地に行って、藤木町長さんに大変な状況をいろいろと伺ったので、ご協力したいと思います。
皆様からのご支援を宜しくお願いします。

義援金の詳細はこちらから。